マイクラで学ぶPDCAサイクル ー 遊びながら考える力を育てる
こども向けの マインクラフトを使ったICT教育体験会 にいくつか参加しました。
会場によって内容はさまざまで、
- マインクラフト エデュケーション版 を使って「タイピングやプログラミングの基礎」を教えるところもあれば、
- 通常のマインクラフト(本編) を使って「PDCAサイクルを回す学習」や「グループワークで協調性を育てる」ことを目的にしているところもありました。
実際に体験してみると、マイクラの中で「プログラミング的思考」だけでなく、
目標を立てて、試して、振り返るプロセス を繰り返すことこそが、子どもたちの成長につながっていると感じました。
グループワークに関しては、学校生活の中でも自然に学べる要素です。
しかし、PDCAを自分で意識して回す経験 は、家庭や学校の中では意外と少ないのではないでしょうか。
「それなら、家でもマイクラを使ってPDCAを回すようにすれば、月数千円の体験会に通うのと同等の教育効果が得られるのでは?」
そう考え、自宅で マイクラPDCA実践プログラム を試してみることにしました。
方法:1時間サイクルでPDCAを体験する
💡 そもそもPDCAとは?
PDCAとは、仕事や学習などで使われる改善のサイクルを指します。
次の4つのステップで構成されています。
- P(Plan)=計画:目標を立てる
- D(Do)=実行:実際にやってみる
- C(Check)=評価:結果を振り返る
- A(Act)=改善:次にどう工夫するか考える
この流れを繰り返すことで、行動力と課題解決力が少しずつ育っていきます。
マイクラは「自由に試せる」「失敗してもすぐやり直せる」環境なので、
このPDCAを体験的に学ぶには最適な教材です。
1時間の流れ
家庭でも継続できるよう、1回を 1時間サイクル に設定しました。
集中しやすく、親子での対話の時間も確保しやすい構成です。
フェーズ | 時間 | 内容 |
---|---|---|
1. 目標設定 | 約5分 | 今日の目的と数値目標を立てる(Plan) |
2. 前半プレイ | 30分 | 設定した目標に向けて挑戦(Do) |
3. 中間ふりかえり | 2〜3分 | 進捗確認・目標修正(Check→Act) |
4. 後半プレイ | 30分 | 修正後の目標で再挑戦(Do) |
5. 全体ふりかえり | 約8分 | 成果・課題・次回目標の設定(Check→Act) |
言語化をルールに
各フェーズで「考えたことを言葉にする」ことを重視しています。
言語化することで思考が整理され、自分の行動の意味を理解しやすくなります。
- 始める前(目標設定):「今日は何を達成したい?」「数字で表すとどれくらい?」
- 中間振り返り:「今どこまでできた?」「残りでどう変える?」
- 全体振り返り:「できたこと・できなかったことは?」「次は何を工夫する?」
親は「問いかけ役」に徹し、正解を与えず、考える時間を確保することを意識します。
実践例:家を建てるはずがウサギ集めに…
初回の目標は「家を建てる」でした。ところが途中で子どもが「ウサギを集めたい!」と言い出しました。
本来の目標から外れましたが、そこで無理に止めず、区切りまで見守ることにしました。
途中で「ウサギも気になるんだね。次の目標に入れてみようか?」と声をかけることで、
寄り道も次の学びの材料に変わります。
結果として次のセッションでは「家づくり+ウサギ小屋の建設」という複合目標になり、
自分で計画を立て直す姿が見られました。
課題と改善:集中と自由のバランス
実践を重ねる中で、いくつかの課題も見えてきました。
- 集中が途切れて目標が中途半端になる
- 親の介入が多いと自発性が下がる
- 「遊び」と「学び」の境界が曖昧になりやすい
これを解決するために、声かけと言語化の工夫を取り入れました。
子どもが気が散ったときの声かけリスト
- 軽く気づかせるフレーズ
- 「あれ?今日は“家づくり”が目標だったけど、ウサギも集めてるんだね」
- 「楽しそう!でも目標の家も残ってるから、どっちを先にやろうか迷うね」
- 「家を作るのと、ウサギを集めるの、どっちを区切りの時間で発表する?」
- 興味を尊重するフレーズ
- 「ウサギも気になるんだね。次の目標に入れる?」
- 「もしかして“ウサギ小屋づくり”が新しいアイデアかな?」
- 「家づくりとウサギ集め、つなげられるかな?(庭に放すとか)」
- 区切りの振り返りで使うフレーズ
- 「今回は家は途中だったけど、ウサギはたくさん集められたね。じゃあ次はどうしよう?」
- 「家づくりを続ける?それとも“家+ウサギ小屋”の二本立てにする?」
- 「途中で新しい目標が出てきたけど、それをどう扱うともっと楽しくなる?」
- モチベーションを上げるフレーズ
- 「面白いアイデアだね。次の時間で“ウサギミッション”にしてもいいね」
- 「家を完成させたら、ウサギを迎える準備ができるかも!」
- 「次は“家づくり30分+ウサギ集め30分”って分けてもいいね」
まとめ:家庭でもできる「考える学び」
マイクラを使った教育は、タイピングやプログラミングのようなスキル学習だけではありません。
遊びながら 「考えて、試して、振り返る」 というプロセスを体験できるのが最大の魅力です。
家庭でもPDCAを意識して進めることで、
- 自分で考える習慣
- 計画と改善のリズム
- 目標を言葉にする力
が自然に身についていきます。
今後は、タイマーMODや黒板MODを導入して、
「時間」「目標」「成果」を見える化しながら、より実践的なPDCA環境を整えていく予定です。
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