マイクラでPDCAを回す!子どもと学ぶためのホワイトボードプラグインを自作した話
マイクラの世界で「考える力」を育てたい
子どもと一緒にマインクラフトで遊んでいると、ただ建築や冒険をするだけでなく、自分で目標を立てて取り組む姿勢が自然と生まれます。
たとえば「今日は畑を広げる」「村人との取引を安定させる」など、小さな目標を立てて達成する流れは、まさに PDCAサイクル(Plan → Do → Check → Act) そのものです。
しかし、ゲーム内ではそれを見える化する手段がありません。看板ではスペースが足りず、本では共有が面倒。
「今日の目標」「次の課題」をみんなで見られる仕組みがあれば、家庭でもPDCAの習慣を身につけられるのでは?
そんな思いから、マイクラ内に表示できるホワイトボードを作ることにしました。
本から書き込める「ホワイトボードプラグイン」
このプラグインは、Paperサーバー(Spigot系)で動作するシンプルなホワイトボード機能です。
壁に設置した額縁の中に地図を入れ、そこへ文字を描画することで、マイクラの世界にホワイトボードを再現しました。
主な機能
- 本(Book and Quill)に書いた内容をボードに転送
- /grid コマンドで複数ボードを連結(大きなボードを作成)
- /text コマンドで直接文字を描画
- /lock で編集ロック
- /undo・/redo で履歴操作
- /bg 背景色変更
- /clear 全消去
- /font フォントサイズ変更
- /htext HTML書式の描画対応(実験機能)
目的は「学びを見える化する」こと。
親子で今日の目標を書き、本を持って額縁を右クリックするだけで、マイクラの世界にホワイトボードが現れます。
導入手順
- Paperサーバーを用意
Paper 1.21以降を推奨。
plugins フォルダに WhiteboardPlugin.jar を配置して再起動。 - 額縁を設置
壁に額縁を設置します。中身は空の地図(map)でOK。 - 本に書く
「本と羽ペン」にホワイトボードに記載したい内容を書きます。 - 右クリックで転送
本を手に持ち、額縁を右クリック。
→ 内容がホワイトボードに転写されます。 - コマンドで調整
/bg <color|#RRGGBB> で背景色の変更、/font でフォントの変更など、用途に応じて調整できます。
本と羽ペンの記載例
[clear][size 64][pos 10 80]きょうのもくひょう <font color=red>・おうちをつくる</font>
オプションの意味
- [clear]上書きせずにまっさらにしてから文字を書き込み
- [size 64]フォントサイズを64に変更
- [pos 10 80]文字の書き込み開始場所を10 80に変更
- <font color=red></font>囲んだ文字を赤に変更
親子での活用例
- 学習ボード:
「今日の目標」と実際にどこまでできたか具体的な数値を残すことで、進捗管理の練習を行う。
例:きょうのもくひょう ・おうちをかんせいさせる ・ねこをつかまえる しんちょくひょう ・おうちをつくる[10/22 90%]
- グループ活動:
家族で役割分担を決めて進捗を書き込む。
「パパ→材料集め」「子ども→設計」「ママ→装飾」など。 - オンライン学習会:
フレンドと一緒に学ぶとき、ホワイトボードを使ってルールや計画を共有できます。
開発の裏側
開発では、Bukkit API の MapCanvas を使って地図を直接描画する方法を採用しました。
標準APIではピクセル単位の制御が必要で、MapPalette.matchColor() などの非推奨メソッドを避けながら、最新バージョン(1.21.9)で動作するよう調整しています。
さらに、/undo・/redo 機能を実装して、ホワイトボードの書き換え履歴を安全に戻せるようにしました。
もともとはコマンドで書き込む形にしていましたが、記入が面倒だったため、本から書き込めるようにして使いやすくしています。
これからの展望
このプラグインを通して、子どもが「考えて、行動して、振り返る」流れを自然に学べるようになりました。
ゲームの中で計画を立て、改善を重ねる体験は、リアルな学びにもつながります。
今後は、次のような拡張も検討中です。
- タイマー:中間の進捗確認と今日の進捗確認をするタイミングを測る
まとめ:マイクラは「遊びながら学べる最高の教材」
マイクラの世界にホワイトボードを持ち込むことで、家庭学習×クリエイティブ教育の新しい形が見えてきました。
プラグインを通じて、子どもたちが「考える→試す→振り返る」を自然に繰り返すことができる。
そのサイクルこそ、まさにPDCAの本質です。
「ゲームは遊び」ではなく、「遊びの中に学びを見つける」──
そのための小さな実験が、このホワイトボードプラグインです。










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