iPhoneだけで「位置情報・地図入り」写真作成

日常の風景の中に潜む小さな発見を、単なるデータとして消費するのではなく、形に残すプロセスは、知的好奇心を育む上で極めて有効な手段です。私の家庭では、子どもが道端で見つけた花をiPhoneで撮影し、その写真に情報を付与してポストカードに印刷しています。
単なる写真として保存するだけでなく、その花が「いつ」「どこで」咲いていたのかという記録を添えることで、一枚の写真が有意義な「植物調査記録」へと変わります。この活動を支える仕組みとして、標準機能のみで完結する専用ツールを自作することにしました。

ショートカットで位置情報を追加した画像※位置情報はダミーです。

目次

位置情報を活用した記録の自動化

今回の目的は、iOSの「ショートカット」アプリを活用し、選択した複数の写真に対して「撮影日時」「詳細な住所」「座標(緯度・経度・高度)」「地点表示付きの地図」を一括で合成するワークフローを確立することです。
図鑑を用いた事後調査の精度を高めるためには、撮影時のコンテキスト(文脈)を正確に保持することが不可欠です。しかし、これらの情報を手作業で編集するのは現実的ではありません。そこで、写真が保持するEXIF情報(メタデータ)を自動的に抽出し、視覚的なレイアウトへと再構成する仕組みを構築することで、子どもが「調査と発見」という本質的な活動に集中できる環境を整えることを目指します。

このショートカットができること

本ショートカットは、ポストカードとして印刷することを前提に、以下の目標数値を満たす仕様として設計されています。

  • 一括繰り返し処理: 選択した複数の写真に対して1枚ずつ自動で処理
  • レイアウトの自動最適化: 縦向きで撮影された写真を横向き(90度回転)へ自動変換
  • 7項目の詳細メタデータ重畳: 「取得日」「地域」「郵便番号」「住所」「緯度」「経度」「高度」の7つの変数を、視認性を確保したレイアウトで写真上に配置
  • 地点表示付き地図の生成: 撮影場所を中心とした地図を「楕円形」に切り抜いてオーバーレイ
    標準アクションでは表示されない「撮影地点のピン(📍)」を独自に実装し、視覚的な正確性を高めています。

これにより、追加のサードパーティアプリを介さず、iPhone内部の処理のみで完結する「植物調査記録」の出力インフラを確立しました。

導入方法と実行手順

本ショートカットは以下の手順で導入可能です。

  1. インストール: 下記のiCloudリンクより、ショートカットを自身のiPhoneに追加してください。
  2. 実行の準備: 初回実行時は、地図の取得や位置情報へのアクセス許可を求めるダイアログが表示されます。ホーム画面のアイコンからではなく、「ショートカット」アプリ本体から実行してください。試していませんが、「常に許可」をしていればダイアログは出てこないと思われます。
  3. 使用方法: ショートカットを起動し、ライブラリから合成したい写真を選択します。処理が完了すると、位置情報と地図が合成された新しい画像が写真アプリに保存されます。

なお、撮影環境によって写真に位置情報(EXIF情報)が含まれない場合がありますが、その際はポップアップ通知が表示され、当該画像をスキップする安全設計を施しています。

まとめ

子どもの探求活動を支援することを目的に、iPhoneの標準機能である「ショートカット」アプリを活用して、写真への位置情報合成ツールを制作しました。これにより、複数の写真に対して撮影日時、詳細な住所、緯度経度、高度、そして地点を示すピン付きの地図を一括で合成し、記録用のカードを即座に作成できるようになりました。
この仕組みを、iCloud共有リンクとして公開します。このショートカットが、同じように「記録」を大切にされている方や、お子様との探求活動を楽しまれている方の一助となれば幸いです。